江戸切子職人インタビュー その5 │硝子工房 彩鳳

江戸切子職人インタビュー その5 │硝子工房 彩鳳

江戸切子職人インタビュー
渡部聖也が語る伝統工芸の魅力と未来

1. なぜ江戸切子職人になったのですか?

渡部:江戸切子に出会った瞬間、一目惚れでした。職人として何かを極めたいと探していた時に、江戸切子の輝きに心を奪われたのです。その美しさに触れた瞬間、自分の進む道がここにあると確信しました。

2. 江戸切子の魅力を教えてください

渡部:江戸切子の魅力は、その輝きにあります。気分が良い時は、その輝きがさらに気分を明るくし、気分が落ち込んでいる時には心を和らげてくれます。江戸切子は単なる工芸品ではなく、日常の中で心に寄り添ってくれる存在です。その輝きと美しさは、一度手にすれば誰もが魅了されるでしょう。

3. 個人的に好きな商品や文様を教えてください

渡部:私が特に気に入っているのは、M-58-BPです。この商品は、形、色、デザインの調和が見事です。ぐい呑みでありながら、底に向かって広がる「おさえ」が色を効率的に抜き、輝きを最大限に引き出しています。特に「菊繋ぎ」の文様は奥が深く、伝統とモダンが絶妙に融合した逸品です。

4. 江戸切子を買いたいお客さんに商品を勧めるなら?

渡部: 初めて江戸切子を購入される方には、M-58-BPをおすすめします。硝子工房彩鳳のオリジナルカラーであるブルーピンクを最大限に引き出したデザインは、可憐でありながらクラシックな魅力を持ち、八角籠目の模様が老若男女問わず多くの人に愛されるバランスを生み出しています。透明なお酒を注ぐと、ピンク色が際立ち、見る人を魅了します。初めての方にも自信を持っておすすめできる一品です。

5. 最近の江戸切子についてどう思いますか?

渡部:近年、江戸切子は伝統紋様を重視するあまり、その価値に限界が見えていると感じます。伝統紋様を多く取り入れて価値を高める方法は、いずれ均一化し、個性を失ってしまうでしょう。これからは「アーティスト」としての独自性が求められる時代だと思います。しかし、それには「これは本当に江戸切子なのか?」という受け手側の認識問題が伴います。伝統の枠を超えると、それはもはや「江戸切子」ではなく、単なる「ガラス作品」となってしまいます。

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