江戸切子に使われる「クリスタルガラス」と「ソーダガラス」
江戸切子に代表されるカットグラス製品では、主に2種類のガラス素材が使用されます。それが「クリスタルガラス」と「ソーダガラス」です。
この2つの素材には、それぞれ異なる特徴があり、価格や重さ、輝き方にも違いが見られます。
クリスタルガラスとは?
クリスタルガラスは酸化鉛を含む高級ガラスで、透明度と屈折率が高く、光を強く反射して美しく輝きます。ヨーロッパではバカラやスワロフスキーといったブランドが有名です。
- 透明度・輝き:非常に高い
- 重さ:やや重め
- 加工性:柔らかくカットしやすい
彩鳳では、酸化鉛24%以上を含む「本クリスタルガラス」のみを使用しています。セミクリスタル(酸化鉛24%未満)は使用していません。
ソーダガラスとは?
ソーダガラスは、鉛を含まない一般的なガラスで、軽量で扱いやすく、コストパフォーマンスに優れています。
- 透明度:高いが、クリスタルよりわずかに落ちる
- 重さ:軽い
- 加工性:硬くてカットが難しい
ソーダガラスは環境負荷が少なく、鉛を含まないことから、日常使いや贈り物にも安心して選ばれています。
違いの早見表
項目 | クリスタルガラス | ソーダガラス |
---|---|---|
主成分 | 酸化鉛含有(24%以上で本クリスタル) | ケイ素+ナトリウム(鉛不使用) |
重さ | 重め | 軽め |
透明度・屈折率 | 非常に高い | 高いがやや控えめ |
カットのしやすさ | 柔らかく、削りやすい | 硬く、手作業に高度な技術が必要 |
価格帯 | 高価 | 比較的安価 |
どちらが良い?用途で選びましょう
輝きや重厚感を重視したいならクリスタルガラス。
軽くて普段使いしやすいものが良いならソーダガラス。
いずれも正しく加工されていれば、美しさに差はほとんど感じません。職人の技術がその真価を決めます。
硝子工房 彩鳳ではどちらを使っている?
彩鳳では、製品によって本クリスタルガラス(酸化鉛24%以上)と国産ソーダガラスを使い分けています。どちらも高品質なガラスを採用し、江戸切子職人が一つ一つ丁寧に仕上げています。
次回予告
次回の記事では、なぜ彩鳳があえて「ソーダガラス」にこだわるのかについて詳しく解説します。
ソーダガラスが持つ真の魅力と、そこに込めた職人の技をご紹介します。