色被せガラスとは?江戸切子に使われるガラス:江戸切子解説⑥

色被せガラスとは?江戸切子に使われるガラス:江戸切子解説⑥

色被せガラスとは?江戸切子に使われるガラス:江戸切子解説⑥


江戸切子の美しさを生み出す要素の一つが「色被せ(いろきせ)ガラス」です。
一見すると色付きのガラスのように見えますが、実は透明なガラスの表面に薄く色ガラスを重ねた“二層構造”になっています。
今回は、この色被せガラスの仕組みと、硝子工房 彩鳳がこの素材にこだわる理由をご紹介します。
江戸切子-彩鳳-ロックグラス-オールド-ペア-硝子工房彩鳳

色被せガラスとは?

色被せガラスとは、透明なガラスの外側に、薄い色ガラスを被せて溶着したものを指します。
外層が色ガラス、内側が透明ガラスの二層構造となっており、カット(切子)によって色層が削られることで、透明部分と色部分の美しいコントラストが現れます。
この仕組みによって、光が反射・透過した際の奥行きと輝きが際立つのです。


▲ 色被せガラスの断面構造(外層:色ガラス/内層:透明ガラス)
あくまでイメージです。ご理解ください。

厚みと技術の繊細さ

被せる色ガラスの厚みはわずか1mm前後。
厚すぎると重く、薄すぎるとカット時に割れてしまうため、均一な層を作るには熟練の技術と温度管理が欠かせません。
彩鳳では、瑠璃・紅・金赤など、透明感と深みを両立した伝統色を中心に使用し、最適な厚みで素材を仕上げています。

なぜ色被せガラスが選ばれるのか

色被せガラスは、単なる装飾ではなく、江戸切子の表情を豊かにする素材です。
カットの深さや角度によって現れる色の濃淡、光の透け方の違いなど、一つとして同じ仕上がりは存在しません。
特に瑠璃被せや紅被せは、江戸切子の代表的な色合いとして多くのファンに愛されています。

硝子工房 彩鳳のこだわり

硝子工房 彩鳳では、使用する被せガラスをすべて国産のガラスに限定しています。
国産ならではの透明度・発色の良さ・品質の安定性により、作品の仕上がりに大きな差が生まれます。
また、カット後の「手磨き」工程を徹底し、職人の手で一つひとつ丁寧に磨き上げることで、クリスタルガラスに劣らない輝きを実現しています。

まとめ

色被せガラスは、江戸切子の美を支える重要な素材です。
その薄い層の中に、職人の経験・感覚・技術が凝縮されています。
透明と色が織りなす美しいコントラストこそが、伝統工芸・江戸切子の真価といえるでしょう。

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